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2022年度横浜学術教育振興財団研究助成に採択されました

研究課題「洋上風力発電の広域的発電出力プロファイルの推計に関する研究」が,2022年度横浜学術教育振興財団研究助成に採択されました。2022年4月~2023年3月までの1年間の研究期間で,将来設置される日本近海の洋上風力発電の広域的発電出力プロファイルや変動特性を推計することを目的としています。研究テーマに関する概要は以下の通りです。

 

研究課題:洋上風力発電の広域的発電出力プロファイルの推計に関する研究

 

研究期間:2022年4月~2023年3月

 

助成金額:45万円

 

研究概要:気候変動対策として,世界各国では脱炭素社会を目指す取り組みが盛んにおこなわれている。わが国では,2050年に正味の温室効果ガス排出量をゼロにするカーボンニュートラルを目標として宣言した。電力供給の脱炭素化の取り組みとして,再生可能エネルギーの普及が推進されている。2012年に再生可能エネルギー固定価格買取制度が施行されてから,特に太陽光発電が急速に進み,2020年時点で世界第3位の導入容量である。陸上風力発電も導入が進んでおり,次に導入が期待されているのが洋上風力発電である。わが国における導入可能容量について,環境省の調査では,陸上風力483GW,洋上風力1,120GWと推計されており,洋上風力発電には大きなポテンシャルがあることが分かる。

将来の電力需給をシミュレーションするとき,各電力会社から公表されている需給実績データを用いることが多い。太陽光発電や風力発電の発電出力は,将来想定する発電容量で実績データをスケーリングして使用する。しかし,現在風力発電は陸上が大きなシェアを占めている。山上に多く位置する陸上風力は,乱流等の影響があり洋上風力とは異なる変動特性を持つ。そのため,洋上風力発電が普及する将来の電力需給シミュレーションに現在の風力発電出力プロファイルを用いるのは不適であるという課題がある。
そこで本研究では,将来設置される日本近海の洋上風力発電の広域的発電出力プロファイルや変動特性を推計することを研究目的とする。